StorageMgrでmicroSDカードをPS Vitaのメモリーカードとして使う
SD2VITAというアダプタで変換したmicroSDカードを、StorageMgrというプラグインを用いてPS Vita (TV)のメモリーカードとして使用する方法の解説です。
準備するもの
以下に紹介する4つ(旧型PS Vitaの場合は5つ)のアイテムがそろっているか確認してください。
1. SD2VITA
とにもかくにも変換アダプタがないと始まりません。SD2VITAは日本のアマゾンに互換品を含め大量に出回っています。eBayでは届くのに時間がかかる代わりに安く手に入れられます。
Amazon | SD2VITA ゲームカード型 microSDアダプター | ゲーム
sd2vita | eBay
この画像の私が所持している上側の初期型のやつも含め、壊れてなければ互換品でもなんでも使えると思いますが、外見がしっかりしていて新しそうなやつを入手してください。
2. HENkaku Ensō環境を構築済みのPS Vita (TV)
SD2VITAをPS Vita本体の保存領域としてマウントするためには、そのためのドライバをHENkakuのプラグインとしてロードする必要があります。そのため無改造の本体ではSD2VITAは使えませんが、現在FW3.72までのファームウェアにHENkakuにアクセスする手段が提供されています。
Ensō環境に対しての使用が圧倒的におすすめです。本体起動と同時にSD2VITAがマウントされ、そのままメモリーカードとして扱われるので、セットアップ後は純正メモリーカードと同じ感覚で使えます。非Ensō環境も同じ方法で可能ですが、ホーム画面に表示されるアプリ情報のデータベースapp.dbがマウント前後で共通となるため、マウントされていないメディアにインストールされた起動不可のアプリがホーム画面に表示されたままとなったりと、管理がややこしいです。
環境が整っていない方はHENkakuスターターページをご覧ください。
3. microSDカード
出回っているものは壊れてなければどれでも使えるかと思います。
4. microSDカードを読み書きできるWindows/Mac/Linux PC
PS Vitaでの使用前にPCで保存領域の0埋めとフォーマットを行います。PCにmicroSDカードスロットが無ければ変換アダプタやカードリーダーを使っても構いません。
5. (旧型PS Vita PCH-1XXXシリーズの場合) 純正メモリーカード
PCH-1XXXシリーズではメモリーカードがないとセットアップに使用するmolecularShell/VitaShellをインストールできないので、セットアップ完了までは純正メモリーカードが必要です。大概の場合メモリーカードにVitaShellやらその他のHomebrewやらをインストールして使っていると思いますので、そのメモリーカードを使用してください。
導入方法
以下の3つの手順を完了すると、microSDカードをPS Vitaのメモリーカードとして使うことができるようになります。
1. microSDカードのセットアップ
microSDカードを所定の方法でフォーマットしたあと、現在のPS Vitaのメモリーカード(または本体メモリー)の内容をmicroSDカードに複製します。複製はしなくても認識自体に影響はありませんが、つまり後々困ったことにならないようVitaShellを複製しておきたいのです。
- microSDカードをPCにセットします。
- zzblank.imgをダウンロードします。
- Win32 Disk Imagerをインストールし、これを起動します。
- イメージファイルとしてzzblank.imgを指定し、microSDカードがセットされたドライブをデバイスに選択して書き込みを行います。
- microSDカードは先頭1024KBが0埋めされフォーマットが必要な状態になります。これをexFATファイルシステム、標準のアロケーションユニットサイズ、空のボリュームラベルでクイックフォーマットします。
- VitaShellなどを使ってux0:以下の内容をすべてmicroSDカードのルートフォルダにコピーします。これをWindows上で行う場合は、システムファイルと隠しファイルを表示する設定にしておかないとすべてコピーできないので注意してください。
2. PS VitaにSD2VITAを挿入する
microSDカードのフォーマットが完了したら、カードをセットしたSD2VITAをPS Vitaのゲームカードスロットに挿入しておいてください。
3. StorageMgrをセットアップする
SD2VITAを記憶装置としてPS Vita本体に認識させメモリーカードとしてマウントするため、StorageMgrのセットアップを行います。
- StorageMgrのリリースページからstoragemgr.skprxとstorage_config.txtをダウンロードします。
- storage_config.txtをTeraPadやNotepad++などのテキストエディタで開きます。メモ帳で開くと改行が崩れてしまい失敗の原因になります。
- MCDはメモリーカードスロット
- INTは新型PS VitaとVita TVの内蔵メモリー
- GCDはSD2VITAを挿入したゲームカードスロット
- UMAはVita TVのUSBメモリスロット
- storagemgr.skprxと編集後のstorage_config.txtを ur0:tai/ にコピーします。ur0パーティションは上記の4つのインターフェイスのマウント状況に関わらず使用できる本体内部のメモリー領域(新型PS VitaとVita TVの内蔵メモリーとは異なる)です。ur0を含む各パーティションはVitaShellのファイラー機能やFTPサーバー機能でアクセスできます。
- ur0:tai/config.txt の「*KERNEL」行の直下に「ur0:tai/storagemgr.skprx」という行を書き加えます。
- ux0:tai/config.txt を「config_.txt」などのように別の名前にリネームしておきます。これは ux0:tai/config.txt が存在する場合、 ur0:tai/config.txt より優先されて使用されてしまうためです。
- PS Vitaを再起動すると、SD2VITAにセットされたmicroSDカードがメモリーカード(ux0パーティション)として認識されています。
使用上の注意として、SD2VITAのmicroSDカードをフォーマットするつもりでPS Vita本体の設定からメモリーカードのフォーマットを試みないでください。もし出来てしまったとすれば、フォーマットされたのは本体に挿さったままの純正メモリーカードの方です。