PPSSPP – Android/WindowsでPSPが遊べる!定番のPSPエミュレータを使いこなそう
WindowsやAndroidなど、さまざまなプラットフォームに対応した軽量PSPエミュレータ "PPSSPP" の使い方を解説するページです。
PPSSPP - PPSSPP - PSP emulator for Android, Windows, Linux, iOS, MacOSX
最終更新時点での最新版はPPSSPP 1.7.4です。この記事の内容の一部は最新の機能や変更に対応していない場合があります。
目次
PPSSPPの概要
PPSSPPはオープンソースのPSPエミュレータです。WindowsやAndroid、Mac OS Xなど、現存する数多くのOSでの動作に対応しています。現時点で最も盛んに開発が続けられているPSPエミュレータとして知られ、動作の速さや起動できるゲームの多さ、機能の豊富さにおいて優れているのが特徴です。
PSPゲームのUMDディスクから吸い出したISO(/CSO)ファイルや、PSPのCFW向けに作られた自作ソフト(homebrew)などを読み込んで遊ぶことが可能です。遊びたいUMDディスクと壊れていない改造済みPSPがあれば、または以前に取り込んでおいたISO(/CSO)ファイルがメモリースティックやPCに残っていれば大丈夫です。大画面&高画質で懐かしのPSPゲームを遊んでみましょう。
PCやスマートフォンにつなげられるゲームコントローラーがあれば操作性は完璧です。もし無くてもPCではキーボードでの操作、スマートフォンやタブレットでは画面上にボタンを表示して操作することもできます。
動作環境
- Windows PC(32ビット/64ビット)。起動しない場合はVisual Studio 2013 の Visual C++ 再頒布可能パッケージをインストールする。それでもうまくいかないならDirectXやOpenGLのドライバがインストールされているか確認する。
- Android端末
- その他のOS (この記事では解説しません)
導入方法
必要に応じてWindows版とAndroid版を別にして解説していきます。
[Windows] PPSSPPのインストール・起動方法
- 次のリンクより最新のWindows版PPSSPPのzipファイルをダウンロードし、これを好きな場所に展開します。
PPSSPP Downloads - 展開したppssppフォルダを開き、PPSSPPWindows64.exe(32ビット版Windowsの場合はPPSSPPWindows.exe)を起動します。
またはインストーラ版をダウンロードしてインストールします。
[Android] PPSSPPのインストール・起動方法
- Android端末のブラウザで以下のリンクを開くか、またはPlayストアで「PPSSPP」と検索し、PPSSPPをインストールします。
PPSSPP - PSP emulator - Google Play の Android アプリ - インストールが完了したら、PPSSPPのアイコンをタップして起動します。
※PPSSPPのapkファイルをダウンロードして手動でインストールすることも出来ます。その場合はインストールする前に設定アプリにて "セキュリティ" の "提供元不明のアプリ" にチェックを入れる必要があります。apkファイルのダウンロードはこちらから。
PPSSPP Downloads
遊びたいゲームを用意する
- 起動したいPSPゲームのISOファイルを用意します。PSP Filerなどを使ってUMDディスクからISOファイルの吸い出しを行ってください。吸い出しにはCFWを導入したPSPが必要です。詳しい手順は以下のリンクをご覧ください。もちろんメモリースティックやPCにISOファイルがあればそれも再利用可能です。
PSP Filer ― ISOの吸い出し方法 - 用意したISOファイルを、PPSSPPを使いたいWindows PCやAndroid端末の好きな場所にコピーします。
自作ソフトの場合も同様に導入できます。好きな自作ソフトをダウンロードするなどして用意し、EBOOT.PBPが入ったフォルダをWindows PCやAndroid端末上の任意の場所にコピーしておいてください。
PPSSPPの使い方
PPSSPPのインストールと遊びたいゲームファイルの配置が終わったら準備は完了です。PSPゲームを遊んでみましょう。
ゲームの起動方法
- PPSSPPを起動すると以下のような画面が表示されます。この画面で起動したいゲームを参照します。クリックまたはタップでゲームの配置場所を開いてください。
- ゲームが配置されているフォルダを開くとゲームアイコンが表示されます。そのアイコンをクリックまたはタップするとゲームが起動します。
ゲームの起動方法
ゲームを終了してメニューへ戻りたい場合、Windows版は "エミュレーション" タブ → "停止" をクリックします。Android版では戻るキーを押すとクイックメニューが表示され、そこからメニューや設定画面に移動できます。
[Windows] キーボードでの操作方法
ゲームパッドを使用しない場合、キーボードでゲームの操作を行うことになります。PSPのボタンとキーボードのキーの対応表は以下のとおりです。
PSPのボタン | キーボードキー |
○ボタン | Xキー |
×ボタン | Zキー |
□ボタン | Aキー |
△ボタン | Sキー |
Lボタン | Qキー |
Rボタン | Wキー |
SELECTボタン | Vキー |
STARTボタン | SPACEキー |
PSPのボタン | キーボードキー |
十字キー↑ | ↑キー |
十字キー→ | →キー |
十字キー↓ | ↓キー |
十字キー← | ←キー |
アナログパッド↑ | Iキー |
アナログパッド→ | Lキー |
アナログパッド↓ | Kキー |
アナログパッド← | Jキー |
またAndroid版と同様、 Windows版でも画面上に仮想コントローラを表示してゲームを操作することができます。"設定" タブ → "詳細設定" → "コントロール" → "画面にタッチ用のコントローラーを表示" のチェックボックスをチェックしてください。
ステートセーブ機能を使う
ゲーム内に用意されているセーブポイントに関係なく、プレイ中のゲームの状態(ステート)をそのまま保存し、その状態をいつでも復元できるのがステートセーブです。Windows版の場合 "ファイル" タブ → "ステートを保存" をクリックするとステートセーブ、"ステートを読み込む" をクリックするとロードできます。"セーブステートスロット" で指定したスロットにセーブが行われるので、最大で5つまでステートを保存することが可能です。
Android版もほぼ操作は同じです。ステートセーブしたい場面で戻るキーを押してクイックメニューを表示し、保存するスロットを指定して "ステートを保存" をタップするとステートセーブ、 "ステートを読み込む" をタップするとロードが行われます。
なお、Windows版では "ファイル" タブ → "ステートファイルの保存" でステートをファイルとしてセーブすることが出来ます。ロードは "ステートファイルの読み込み" から行います。
PPSSPPをもっと活用する
PPSSPPには多彩なオプションが用意されており、自分好みの環境を作り上げることができます。ここからはプレイ環境をより快適に活用するための方法を紹介していきます。
PSPで作成したセーブデータをPPSSPPで使用する
PSPで作成してコツコツ進めてきたゲームのセーブデータは、PPSSPPでも無駄にはなりません。Windows版の場合 ppsspp/memstick/PSP/SAVEDATA/、 Android版の場合 /mnt/sdcard/PSP/SAVEDATA/ にセーブデータをコピーしておくことで、PPSSPPでロードできるようになります。
もちろん逆の操作をすればPPSSPP→PSPにセーブデータをコピーすることも可能です。
[Windows版] 中華フォントからPSP純正フォントに変更する
PPSSPPは高い品質でPSPゲームの動作を再現してくれますが、ゲーム内で使用されるフォントがPSPのものと異なるため少し違和感を覚えてしまいます。幸いWindows版ではフォントの変更が簡単なので、ここでその方法を紹介します。PSP Filerの動くPSPが必要です。
- PSPでPSP Filerを起動します。
- STARTボタンを2回押すと flash0:/ の内容が表示されます。flash0:/font/jpn0.pgf を使用するので取り出しましょう。Filerのコピー機能で一旦メモリースティックを経由するとやりやすいと思います。
- jpn0.pgfを ppsspp/flash0/font/ へコピーします。
以上で操作は完了です。これでPSP実機と同じフォントがゲーム内で使用されるようになっているはずです。
オンスクリーンコントローラのレイアウトを変更
仮想コントローラのレイアウトは自由に変更できます。たとえば十字キーとアナログパッドの配置を入れ替えるといったことが可能です。Windows版の場合 "設定" タブ → "詳細設定" → "コントロール" → "カスタムレイアウト"、 Android版の場合 クイックメニュー → "設定" → "コントロール" → "カスタムレイアウト" を開きます。
画面に表示されたボタンをドラッグ&ドロップで移動します。"Visibility" は表示するボタンの設定、"Reset" はボタンレイアウトの初期化です。
決定ボタンを○ボタンに変更する
初期設定では決定が×ボタンに設定されています。本体設定に依存するゲームでは決定ボタンが入れ替わってしまうので、○ボタンに変更しておきます。Windows版の場合、 "設定" タブ → "詳細設定" → "システム" → "決定ボタン" を "Oボタン" に変更します。Android版の場合、 クイックメニュー → "設定" → "システム" → "決定ボタン" を "Oボタン" に変更します。
ゲームパッドを使って操作する
タッチパネルのないWindows PCでは、キーボードや仮想コントローラーでは操作性が物足りないことが考えられます。そこでゲームパッドを接続して使用してみます。この方法はWindows・Androidともに対応しています。USB接続のゲームパッドならおそらく動作すると思います。XperiaにPS4コントローラーDUALSHOCK 4をBluetooth接続して使うこともできます。
以下ではPSP homebrewのFusa GamePadを使ってゲームパッド化したPSPを試してみます。(余談ですが、ゲームパッド化したPSPにマクロプラグインを使用してPS3を自動操作、なんてことも可能でしたね。)
FuSa GamePad v0.3 使い方
ゲームパッド化したPSPをAndroid端末にUSB接続する場合、microB(端末のUSBポートがType-Cならそちら)オス → AメスのUSB変換アダプタが必要になります。Amazonなどで購入しましょう。こちらはNexus 7 (2013)にゲームパッド化したPSPを変換アダプタ経由で接続してPPSSPPを動かしている様子です。この変換アダプタを使うとPSPの代わりにUSB接続のコントローラー(DUALSHOCK 3/4も含む)をAndroidで使用できます。
- 使用したいゲームパッド(またはFusa GamePadを起動したPSP)をPCまたはAndroid端末とUSBケーブルで接続します。
- PPSSPPを起動します。ゲームパッドを接続してから起動しないと認識してくれないようです。
- このままで正常に使用できればそれでいいのですが、ボタンの割り当てがぐちゃぐちゃになっている場合は設定を行う必要があります。"設定" タブ → "コントロールマッピング" を開きます。
- まずはすでに割り当てられている間違った設定を削除しなければならないのですが、よくわからない場合は頭にkbd.のつく文字列以外をすべて削除してしまいましょう。これでキーボードへの割り当て以外がまっさらになります。
- 各項目の右側にある "+" をクリックした後、ゲームパッド側で対応させたいボタンを押すと割り当てが行われます。これを上から順に "Dpad Up" (十字キー↑)から "Analog Right" (アナログパッド→)まで行いましょう。
これで正しいボタンの割り当てでPPSSPPをゲームパッドで操作できるようになったと思います。
[Android版] 画面の向きを変更/全画面表示する
Andorid版ではゲーム画面の向きを自由に変更することができます。"設定" → "システム" → "全般設定" → "Screen Rotation" にて設定が可能です。初期設定は "Landscape" (横向き) で、"Auto" は自動回転、"Portrait" は縦向き、 "Landscape Reversed" は横向き反転、"Portrait Reversed" は縦向き反転です。
縦向きにすると片手でそれなりの操作ができ、なかなかよさ気です。
Andoridのホームキーや戻るキーといったオンスクリーンキーがプレイ中に邪魔と感じる場合は、"Immersive Mode" を有効化して非表示にします。"設定" → "グラフィックス" → "機能" → "Immersive Mode" にチェックを入れると有効化されます。
レンダリング解像度の設定を変更する
PPSSPPではPSP実機(480x272)以上の解像度でレンダリングすることができます。フルHD(1920x1088)でレンダリングした場合と、PSPと同じ480x272でレンダリングした場合を比較するとこのようになります。クリックすると元画像が表示されます。
画質が良くなるのであれば当然レンダリング解像度を上げておきたいところですが、高解像度でのレンダリングの負荷に対応しきれない低いスペック、たとえば古いAndroid端末などでは、実機並みのスピードで動作することが困難になります。その場合はレンダリング解像度を低く設定する必要がでてきます。
レンダリング解像度を変更するには、Windows版の場合 "設定" タブ → "レンダリング解像度" を "Auto" (端末に自動で合わせた解像度) から任意の数字に変更します。たとえば "2x" に設定すると、縦に2倍、横に2倍の960x544でレンダリングが行われます。Android版の場合 クイックメニュー → "設定" → "グラフィックス" → "レンダリング解像度" の値を変更します。Android版では変更後、ゲームを一旦終了して再起動しないと設定が反映されないようなので注意してください。
シェーダーの設定を変更して画面にエフェクトをかける
PPSSPPでは適度に画面をぼかしてジャギーを目立たなくしたり、マンガ風の表示にしたりとさまざまなエフェクトを掛けることができます。用意されたエフェクトの比較画像がこちらです。拡大してご覧ください。
シェーダーの設定を変更するには、Windows版の場合 "設定" タブ → "Postprocessing Shader" を変更します。Android版の場合 クイックメニュー → "設定" → "グラフィックス" → "Postprocessing Shader" を変更します。
テクスチャスケーリングの変更
いくらレンダリング解像度が高くても、ゲーム内で使用されるテクスチャの解像度が低くてはあまり綺麗には見えません。そこでPPSSPPではテクスチャの解像度をアップスケールして表示することが出来ます。こちらはアップスケールしない場合とした場合の比較画像です。
テクスチャスケーリングの変更は、Windows版の場合 "設定" タブ → "テクスチャスケーリング" より数値を変更して行います。Android版は クイックメニュー → "設定" → "グラフィックス" → "アップスケールレベル" より変更します。
スピードが出ないときにすべきこと
PPSSPPを動作させるPCやAndroid端末のスペックによっては満足のいくスピードでプレイできない、ということは十分にありえます(スマホの上位機についてはグラフィック性能の向上によりここ数年で格段に良くなりましたが…)。例えばグラフィックボードを搭載していないPCの場合、Intel/AMD CPUの内蔵グラフィック機能に頼ることになりますが、少し重いようなゲームも満足に動かないことがありますよね。その場合ハードウェアをアップグレードするのも良い手ですが、お急ぎの方のためにPPSSPP側でチェックするべき項目として以下の6つを挙げておきます。
- レンダリング解像度を低く設定する
- シェーダーの設定をオフにする
- テクスチャのアップスケールを無効にする
- レンダリングモードを "Non-Buffered Rendering" に変更する
- フレームスキップ機能でフレームを間引きする
- "Disable alpha test (PowerVR speed up)" を使用する
1つ目は上で紹介したとおりです。2つ目については、シェーダーの設定を変更してエフェクトをかけると、それだけで負荷が加わりますので、スピードを優先するなら残念ながらこれもオフにするべきです。3つ目のテクスチャのアップスケールも同様に負荷がかかりますので無効にしたほうがよいでしょう。
4つ目については、設定よりレンダリングモードを "Non-Buffered Rendering" に変更すると "Buffered Rendering" に設定しているときよりスムーズに動作する場合があるようです。ただし、このモードではレンダリング解像度が "Auto" に固定され、シェーダーの設定も無視されます。効果があるかはゲームによってかなり異なるようです。
5つ目は動きの滑らかさを犠牲にして体感のスピードを向上させる方法です。PSPゲームは1秒間あたり30枚や60枚のフレーム(静止画)を連続で表示して滑らかに動いているように見せています。そのフレームを間引きして減らすことで負荷を減らし、動作がカクカクになる代わりにPSP実機のスピードに近づけることができます。Windows版の場合 "設定" タブ → "フレームスキップ" よりフレーム間に何枚のフレームを間引きするか数値で指定します。Android版の場合 クイックメニュー → "設定" → "グラフィックス" → "フレームスキップ" より同様に行います。"Auto" に設定するとPSP実機のスピードに追いつくよう自動で調節してくれます。
6つ目はテクスチャの品質を犠牲にしてスピードを向上させる方法です。ゲーム内で使用される画像の品質を落として負荷を減らします。Windows版の場合 "設定" タブ → "詳細設定" → "グラフィックス" → "Disable alpha test (PowerVR speed up)" にチェックします。 Android版は クイックメニュー → "設定" → "グラフィックス" → "Disable alpha test (PowerVR speed up)" です。
"Disable alpha test (PowerVR speed up)" を有効にするとかなり見た目が悪くなります。
ここで紹介した設定はほんの一例です。この他にもいろいろおもしろそうな機能がありますし、これからのアップデートで追加されることも予想されます。エミュレータの使い方に正解はありません。自分好みの使い方を追求できるというのもまたエミュレータの奥が深いところですね。
PPSSPPはGNU/Linuxにも対応していますよ
ゲームパッド化したPSPをAndroid端末にUSB接続する場合、
と書いてありますが iPhone端末でも可能でしょうか?