5.03 ChickHEN R2
今回はTeam Typhoonよりリリースされた、5.03 ChickHEN R2の解説や導入方法の紹介です。
これによりFW5.03が導入された対策基板のPSP-2000やPSP-3000で自作ソフトの起動やKernelへのアクセスが可能になります。
"ChickHEN" とは?
ChickHENは "HEN" という種類のツールに分類されます。
HENとは "Homebrew Enabler" 、つまり改造していないPSPで自作ソフトの実行を可能にするものです。
FWに存在する脆弱性(Kernel Exploit)を利用してオンメモリで動作します。
オンメモリで動作するHENはCFWとは違い、一度電源を切ると自作ソフトの実行が可能な状態は解除されてしまうため、再起動のたびに "有効化" する必要があります。
ChickHENはFW5.03上でのみ動作します。
これはChickHENが動作するために必要なKernel ExploitがFW5.05以降のバージョンでは対策されてしまったためです。
なお、ChickHENは自作ソフトの起動に特化しているため、ISO/CSOの起動やプラグインの動作など、CFWに搭載されているような機能は使用できませんが、通常では不可能なKernel領域へのアクセスが可能になるため、ChickHEN上で動作するLCFW、 "5.03 GEN" などを使用することでCFWと同等の機能が使えるようになります。
対応する環境
- PSP-1000, 2000, 3000
- FW5.03を導入済みであること
導入方法
この時点でまだFW5.03を導入していない場合は導入しておきます。
ファイルの準備
- 5.03 ChickHEN R2をダウンロード、解凍します。
5.03 ChickHEN Enabler Revision 2 - Hacks & Exploits - PSP - QuickJump Downloads - 解凍してできた26993_ChickHENR2フォルダにあるh.binを、ms0:/(ルートフォルダ)にコピーします。
設定の変更
ChickHENは海外ユーザのPSPで動作するよう開発されたので、日本語環境ではうまく動作しません。
そこで海外版のPSPに設定を似せることで動作が可能になります。
- XMB ⇒ 設定 ⇒ 本体設定 ⇒ 設定の初期化 を行い、設定を初期状態に戻します。
- XMB ⇒ 設定 ⇒ 本体設定 ⇒ 文字セット を、"US"に変更します。
- XMB ⇒ 設定 ⇒ 本体設定 ⇒ 表示言語 を、"English" に変更します。
- XMB ⇒ 設定 ⇒ テーマ設定 ⇒ テーマ を、"クラシック" に変更します。
この設定はChickHENを有効化するときに必要です。それ以外の間は日本語表示などに戻してもかまいません。
ChickHENの有効化
ここからの操作はPSPの電源を切るたびに必要になります。スリープモードでは必要になることはありません。
- PSPのPOWERスイッチを3秒以上スライドし、完全に電源を切ります。
- PSPの電源をつけます。
- XMB ⇒ フォト ⇒ メモリースティック を選択します。
- "ChickHEN" (PSP-1000ならPHAT) を選択して、数秒待ちます。
- うまくいけば一瞬だけ画面の表示が乱れ、PSPが自動で再起動されます。失敗するとここでフリーズし、10秒ほどで電源が切れます。
- XMB ⇒ 設定 ⇒ 本体設定 ⇒ 本体情報 ⇒ システムソフトウェアに "5.03 ChickHEN R2"と表示されていれば完了です。
これで ms0:/PSP/GAME/ に配置した自作ソフトが起動できるようになっているはずです。
前述していた5.03 GENについては、詳しくはこちらの記事からどうぞ。
5.03 GEN-C for HEN - PS Hack Evolution
なお、どういうわけかいくら足掻いても一向にChickHENの有効化が成功しないケースがあるようです。
ダメな場合は最牛HENを試してみてください。これはChickHEN R2の改良版で、100%の成功率を謳っているものです。
最牛HEN - PS Hack Evolution